シアターリミテ|京都を拠点に活動する演劇集団
第3回勉強会Study group
「考察 白い巨塔/1978年 田宮版の魅力」
2020年6月6日(土)担当:郷 加寿美
早くも3回目を迎えた「リミテ勉強会」
本日の会場は先週の第2回勉強会に引き続き「京都芸術センター」。
窓から見える新緑が美しい。
座長が来るまで、テーブルと椅子を用意して・・っと。いよいよ緊張感が高まっていく(ってこともないか・笑)
本日のテーマは「白い巨塔」
この勉強会、課題は全くの自由である。劇団だからって特に「演劇」に縛られることはなく劇団員が興味のあることなら何でも深掘りしていこうという趣旨の元、気ままに開催している。
敢えて決まり事と言うなら、特段興味のない人間にそのテーマが持つ魅力を時間内に伝えなければならないということか。かくしてその回の担当者はせっせと資料を作って入念な準備をし、それを使ってわりかし本格的に、真剣に皆で「語り合う」のだが、この資料づくりがなかなか大変なのである(汗)
さて、本日の課題はあの「白い巨塔」(もちろん田宮版!!)。
DVD-BOXまで持っている郷がその魅力を劇団員と深掘りして行こう。
- ◇原作と背景
- ◇オープニングの魅力
- ◇田宮二郎の鬼気迫る熱演とエピソード
- ◇豪華なキャスト陣とその魅力
- ◇あなたの心に残ったシーンは?
「印象に残ったシーン」と「田宮二郎の魅力」
しっかりマスクを着用して勉強会スタート。皆、田宮版をしっかり予習して来ている。 まずは「あなたの印象に残ったシーンはどこですか?」について各自まとめていく。 箇条書きで軽く・・と思いきや、長谷川、中村とも真剣にA4用紙にびっしりと書いているではないか!
- 一部をご紹介すると・・
- ◇財前が時折見せる(特にケイ子の前で)隙のある表情(岡山の母を見舞おうとするケイ子に「悪いね・・」というシーン)
- ◇BARシローで財前と言い争いになり出ていった里見を追いかけてケイ子が財前を助けてやって欲しいと頼むシーン。
- ◇柳原役の高橋長英が、結婚する気もないのに財前の薦めた見合い相手の薬屋の娘に手を出してしまうところ。インテリぶっていて医師の良心が・・とか言っている割に人間臭い。
「同感!」と思うところと、「へぇ〜そんな解釈もあるのねー」と感じるところ、色々出てきて実に面白い。
田宮二郎の熱演と豪華すぎるキャスト
続いてキャスト陣の魅力を語っていくのだが、白い巨塔の魅力といえば、なんといっても田宮二郎の熱演だ。ある意味本当に命を賭して挑んだ鬼気迫るその演技は否が応でも見る者を釘付けにする。
財前と対峙する里見医師を演じる山本學の凛とした清廉潔白さが滲み出る演技、教授の娘、佐枝子役の島田陽子の清楚な美しさ、愛人ケイ子の崩れ感と色香と深い情を見事に演じた太地喜和子。ほんとはこの人が主役じゃないの?と思わせる柳原医師役の高橋長英。そして曾我廼家明蝶、小沢栄太郎、中村伸郎、金子信雄、渡辺文雄・・など凄すぎる狸親父たちの“いやらしい”「狸っぷり」に惚れ惚れしてしまう。語り尽くせるはずもない素晴らしい役者たち。
・・あっという間に退出時間が迫っている。
ミニシアターのような独立性と表現性の高い舞台を追求。
社会人劇団として、同年代の大人の観劇に耐えうる社会性と娯楽性を追求した舞台を目指しています。
一見分かりやすそうでありながら、すべては分からない。
映画で言えばシネコンのような大衆的なものではなく、
ミニシアターのような独立性と表現性の高い舞台を追求しています。
シアターリミテ 主宰 長谷川 源太